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ホーム宇宙の実験教室|2006年宇宙の旅:太陽系を巡って(宮教大フレンドシップ事業 2006)

宇宙の実験教室

Ideas and resoueces for planetary science experiments

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2006年宇宙の旅:太陽系を巡って(宮教大フレンドシップ事業 2006)

宮教大生が中学生を対象に1日実験教室を行いました。
授業の内容

授業の内容

午前:太陽系の姿
導入として、班ごとに画用紙と惑星シールを使って惑星の太陽からの並び順を予想してもらうことから始めました。
「太陽系距離当てゲーム」では、予め作成しておいた長さ6mの数直線と惑星の駒を用いて、1兆分の1の縮尺で惑星の駒を並べるゲームをしました。(惑星のならびかたへ
「惑星の大きさ比べ」では、10億分の1の縮尺で惑星の大きさを比較するために、直径140cmの風船を太陽に見立てたときの地球の大きさをビー玉・ピンポン球・野球ボール・バスケットボール・バランスボールの5つの中から予想して選んでもらい、その後、地球の直径を10億分の1に縮小する計算作業をして予想を確かめてみました。次に、太陽からの各惑星の距離を10億分の1に縮小する計算をしてもらい、生徒とともに野外で太陽と各惑星との距離を確認し、10億分の1の縮尺における各惑星の配置を実感してもらいました。といっても、学内の敷地内で確認できるのは火星の距離(230m)まで。木星以遠については、実験室に戻って仙台市の地図で確認しました。(10億分の1の太陽系へ

惑星大きさ比べの様子惑星大きさ比べの様子 屋外での太陽との距離の確認

午後:惑星のなかまわけ
太陽系の惑星を地球型惑星と木星型惑星に仲間分けができるのは、それぞれの惑星の形成過程が異なることであることを理解する実験をしました。
まず、地球型・木星型惑星の大きさが大きく異なる要因として形成時の温度に注目しました。実験では、2つのスチロールトレイを用意し、木星型惑星モデルのトレイには板状のドライアイスを入れて低温環境をつくり、両方のトレイに塵に見立てたパラフィンと研磨剤の粉末をふりかけ、晶出にどんな差があるかを調べました。木星型惑星モデルのトレイには塵の粉末だけではなく氷(霜)が晶出するので見た目で両者の固体物質の体積の違いが分かりました。(惑星のなかまわけへ
この塵(粉末)で擬似微惑星をつくり、またそれらを1つにまとめて擬似原始惑星をつくりました。
次に、惑星内部の形成過程を理解する実験をしました。擬似惑星の一部を湯せんして溶かすことで、マグマオーシャンを再現したのです。湯せんすると、研磨剤が流れ落ちるように容器下部へと沈む様子が確認できました。ここで、密度の大きい物質が惑星内部に集積され、惑星内部が層構造を成していることを説明しました。(惑星を作ろうへ
最後に、地球と木星の半球モデルを透明な板の上に粘土を重ねていって作成しました。粘土は地球の鉄部分、岩石部分、木星の岩石+氷部分、ガス部分それぞれ違う色で、10億分の1の縮尺に準じた各層の体積分量を用意しました。生徒達は粘土の感触を楽しみながら、地球と木星の大きさの違い、構成物質の違い、各層の体積比を体験的に理解していたようです。(惑星の中を覗いてみようへ

地球領域(右)では塵物質のみ、
木星領域(左:ドライアイス入)では氷が晶出
湯せんすると研磨剤が分離して沈殿していく
半球粘土モデル作成の様子 地球(左)と木星(右)の粘土モデル
感想と授業評価

生徒の感想と学生の授業評価

アンケートでは19人の参加者全員が「楽しかった」と答えていました。なかでも惑星内部の形成過程を確認した実験、半球モデルを作成する実験が楽しかったようです。難易度についても「適切だった」が多数を占め、生徒達は楽しく惑星についての理解を深めたようです。
天文分野は、実際の教育現場においても、時空間の広がりが教室という授業のなかで示すのは難しいものです。
授業では「日常生活や教科書などから抱くイメージと実際とのギャップから驚きを得て、正しい理解するということ」を大切にしたことから、中学生からのアンケートで「今まで考えていた惑星の大きさより、実際は全然違っていました。」「宇宙がすごく大きいなぁと感じ た。」などのコメントも得られました。
フレンドシップが終了して1ヶ月後、惑星の定義が変わりました。冥王星が惑星群から抜け、惑星は8個という定義になりました。結果的にはタイムリーな内容の授業の展開でした。

もっと詳しく知りたい方はフレンドシップ報告書原稿へ(7ページ 112KB)

 
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