所属学会

あぁ金が飛んでいくぅ・・・というよりも,一部滞納中だったりする。 早く払わねば…。


これまでの研究内容

学位論文

修士課程までは,課題のカバーストーリーを操作し,状態推移課題の同型課題を作成し実験を行なってきました。いわゆる,典型的な同型課題の実験パラダイムにのっとった研究といえます。修士論文のウリは,状態推移課題の解決パフォーマンスと, Wasonの4枚カード問題の選択パターンとを比較したことでした。学会発表も,前半(1994年度まで)は,上記のような実験手法を用いた研究発表を行なっていました。

博士課程中期からは,同型課題間での知識の転移プロセスに研究の興味が移り,類推的思考について研究するようになりました。類推的思考とは,知りたいこと,あるいはよく知らないことを,よく知っていることにたとえて考えることをさしています。詳しくは,僕の学位論文および文献リストを参考にして調べてみて下さい。

現在は,類推的思考からまた少し興味が広がって,類似性判断を基本とした様々な思考を関連づける試みを行っています。要するに,学習や問題解決を中心とした思考心理学となるのでしょうか。

上記のことをもう少し分かりやすく学習場面での話を少し交えて説明すると,たとえば,周辺知識があるほど知識を検索しやすくなるし知識に定着しやすくなるという現象があります。逆にいえば,周辺知識のない段階での学習や検索には困難が強く感じられるわけです。不得意科目を勉強するときには,得意科目と比べて物凄く時間も労力もかかるわけですが,要するに,それは領域内部の知識相互が関連性のない状態となっていて,だから簡単には頭の中に入っていかないわけです。知識がないから勉強が捗らないということは,少し矛盾した,やや不公平な話のように聞こえるかも知れませんが,既存の知識をベースにした学習というのはこのように不公平・不平等なものといえるでしょう。


著書・論文

  1. 「構造的類似性が類推予測のもっともらしさに及ぼす影響」、 平真木夫・瀧川哲夫、1996年、 北海道大学文学部行動科学科テクニカルレポート(1996年11月発行), Pp.1-28
  2. 「挿入情報が類推判断に及ぼす影響」平真木夫・瀧川哲夫,1997年, 認知科学,4(4), Pp.83-98.
  3. 「制約と領域固有性」平真木夫、1999年、「行動科学の中の文化研究」、 松林義行編, Pp.18-29
  4. “Directionality in analogical judgment”Makio Taira, Proceedings of ICCS'99, Pp.1136-1139
  5. 「教育の情報化の動向を探る」平真木夫,2000年, 認知科学会テクニカルレポート, JCSS-TR-34, Pp.1-22.
  6. 「類推の思考における位置づけ」平真木夫,2001年,宮城教育大学紀要, Vol.35, , Pp.313-327.
  7. 「問題解決とイメージ」平真木夫, 2001年, 「イメージの世界」菱谷晋介編 ナカニシヤ書店, Pp.193-212.
  8. 「インターネットリテラシーの残存状態に関する一考察」 平真木夫,2001年,宮城教育大学情報処理センター年報, Vol.8, Pp.15-17.
  9. 「学校適応状況調査票(中学校版)の作成とその検討」,平真木夫・佐藤静・ 白石俊行・西林克彦,2001年,宮城教育大学臨床教育研究センター紀要, Vol.3, Pp.7-14.
  10. 「学校生活等に関する意識調査から見た共同活動の受け入れについて」, 西林克彦・平真木夫・佐藤静・白石俊行, 2001年,宮城教育大学臨床教育研究センター紀要, Vol.3, Pp.1-6.
  11. 「宮城県の中学生の心身状態と学校・家庭生活の状況」 佐藤静・平真木夫・白石俊行・西林克彦, 2001年,宮城教育大学臨床教育研究センター紀要, Vol.3, Pp.15-33.
  12. 「中学生にとっての家庭・親とはどのような存在なのか」, 白石俊行・平真木夫・佐藤静・西林克彦, 2001年,Vol.3, 宮城教育大学臨床教育研究センター紀要, Pp.34-52.
  13. “The Role of Domain Knowledge and PC Literacy of Novice Users” Makio Taira, 2001, Proceedings of ICCS'2001, Pp.658-662.
  14. 「『情報機器操作』で扱うリテラシについて」, 平真木夫,2002年,宮城教育大学情報処理センター年報, Vol.9, Pp5-8.
  15. 「教育評価の鳥瞰図〜評価コストを軽減するための一つの試案」、 平真木夫、2003年、 宮城教育大学紀要, Vol.37, Pp.341-356.
  16. 「学校の中での学習」、平真木夫、(印刷中)、 益谷真編著、「素朴な心の心理学」、第5章、北大路書房

翻訳

「アメリカの心理学者心理学教育を語る」北大路書房(道田・宮元 共訳)

学会発表

  1. 「心的準備性リハーサルが解決行動に及ぼす影響」平真木夫
    北海道心理学会(北海道教育大学函館校)1992年10月
  2. 「問題を構成する刺激要素の属性の組み合わせ順序が解決行動に及ぼす影響」平真木夫
    認知科学会(慶応大学)1993年6月
  3. 「現実知識と課題固有な知識との対応関係が問題解決行動に及ぼす影響」平真木夫
    日本教育心理学会(名古屋大学)1993年10月
  4. 「同型課題の解決過程に一般知識が及ぼす影響」平真木夫
    日本認知科学会(九州大学)1994年6月
  5. 「状態推移課題の制約と実用的推論スキーマ 」平真木夫・瀧川哲夫
    北海道心理学会(北海道教育大学旭川校)1994年9月
  6. 「同型課題の解決過程に一般知識が及ぼす影響」平真木夫
    北海道社会心理学研究会(北海道大学文学部)1994年10月
  7. 「状態推移課題の制約と実用的推論スキーマ」平真木夫・瀧川哲夫
    日本心理学会(日本大学)1994年10月
  8. 「類推のもっともらしさに関する実験的研究」平真木夫・瀧川哲夫
    北海道心理学会(札幌医科大学)1995年12月
  9. 「類推と演繹の対応関係の分析」平真木夫・瀧川哲夫
    日本心理学会(立教大学)1996年9月
  10. 「類推における参照事例の数と類似性判断」平真木夫
    日本教育心理学会(筑波大学) 1996年11月
  11. 「類推における挿入情報の影響」平真木夫・瀧川哲夫
    日本心理学会(関西学院大学) 1997年9月
  12. 「類推における診断性の原理の役割」平真木夫
    日本認知科学会(名古屋大学) 1998年6月
  13. 「帰納的推論の方向性と領域知識」平真木夫・瀧川哲夫
    日本心理学会(東京学芸大学) 1998年10月
  14. 「イメージ解釈と参照枠の問題」 平真木夫
    イメージ研究会 (北海道大学文学部) 1999年8月
  15. 「検索サイト利用時のメタ認知」 平真木夫
    日本教育工学関連学協会連合第6回大会(鳴戸教育大学)2000年9月
  16. 「文章の読みにおける段落の働きについての研究」森元智博・平真木夫
    日本教育心理学会第43回大会 (愛知教育大学・名古屋国際会議場) 2001年9月
  17. 「検索前の知識状態から推測される検索方略と知識の広がりについて」 平真木夫
    日本認知科学会(北陸先端科学技術大学院大学)2002年6月
  18. “How Domain Knowledge and Task Requirement Affect the Selection of Learning Strategy” Makio Taira
    Asia Pacific Conference on Education (National Institute of Education, Singapore) 2003年6月
  19. 「学校現場における類推の位置づけ」平真木夫
    京大心理学連合21世紀COEワークショップ『メタファへの認知的アプローチ』 (京都大学) 2004年2月
  20. 「センター試験再解答の結果から見た勉強方法の分析」 日本教育心理学会第46回大会(富山大学) 2004年10月
  21. 日本教育心理学会46回大会(富山大学)2004年10月 「センター試験再解答の結果から見た勉強方法の分析」
  22. 日本教育心理学会46回大会(富山大学) 2004年10月 「通知表における成績評価の受容についての研究」澤田美香・平真木夫
  23. 第10回OECD/Japanセミナー・専門家会議 2005年6月「今後の国際比較調査」・ 話題提供者
  24. 教授学習心理学会第1回大会(東北大学) 2005年6月 「小・中学生の学習方略と成績評定の認知」
  25. 日本教育心理学会第47回大会(浅井学園大学) 2005年9月 「教科と学習方略の対応関係の分析」
  26. 教授学習心理学会第2回大会(茨城キリスト教大学) 2006年6月 「検索サイトを利用した 調べ学習の効用と限界」
  27. 日本教育心理学会第48回大会(岡山大学) 2006年9月 「大学生の学力形成とその後の変化〜日本・シンガポールの比較を通じて」
  28. International Conference on Child Development in Family, School and Cultural Contexts (Inha University, South Korea) 2006年11月 "The role of cramming for examinations and its impact on the use of learning strategies"
  29. 教授学習心理学会第3回大会(札幌学院大学) 2007年5月 「中一ギャップと学習方略」
  30. 日本教育心理学会第49回大会(文教大学) 2007年9月 「学習態度から見た困難校と成績上位校の違い」

現在の研究

とりあえず、現在の興味関心をまとめると以下のようになでしょう。

『思考心理学と認識論をベースにして、学習活動全般を研究しています。最近は、リテラシーや学力の問題、学習意欲と学習方略の関係、教育現場への情報機器の導入方法に興味を持って取り組んでいます』

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