指導案作成のTIPS
授業の仕組み
- ねがい・・・目標よりも高次の意図、教育観、教育理念
- 目標・・・授業の目標、到達度の設定
- 学習者実態・・・興味や関心のあり方など
- 教材研究・・・教材解釈、構成要素の理解
- 教授方略・・・指導の指針、生徒と教材の関係についての見通し
- 学習環境・条件・・・ロケーション、メディア、学習形態(集団・個別・一斉)
どこに着目して記録すべきか?(指導案の復元方法)
- 教師の生徒への発問と指示(発問の意図など)
- 子どもの反応(答えた内容、ノートの取り方など、誰を抽出児とすべきか?)
- 反応への教師の対応(評価方法など)
- 授業の運営方法(板書の仕方、指名の仕方、約束事・規律)
- 教材の解釈(系統性、文脈など)
指導案を作成する目的
- 教材の構成・内容を明確にする
- 授業展開の核と追求する課題を見定める
- 第3者が読んでも分かる
- 授業記録としての指導案、知識の蓄積と共有
- 状況によっては、管理の道具に利用されることも・・・
日記に核の作り方について少し書きました。
時間があったら参照してください。
指導案の分類
一応、年間指導計画から、トップダウンで構成されると望ましいが・・・。
- 学校の目標
- 教科の目標
- 学年の目標
- 年間指導計画
- 月案
- 週案
- 日案
- 本時案 === いわゆる指導案(学習指導案、授業案、教案)
指導案の構造
- 単元あるいは題材の名称
- 授業の日時・学級・授業者の名前
- 教材観(単元設定の理由)
- 児童観(学級や生徒の実態)
- 教材解釈(本時の教材についての自分の考え)
- 本時の目標・指導の方向
学習過程
- 教師側の指導活動
- 発問を中心として、全体の流れをおさえる
- 中心発問を決める(授業のキモ)
- 予想される生徒の学習活動
- 教師の関わり
- 発問の意図
- 評価の仕方
- 具体的な行動・指名方法・活動内容の指示など
教材解釈の3つのレベル
- 一般教養としての一般的解釈
- 教師という専門家の行う専門家的な解釈
- 現実の子どもにあわせて、教材を解釈し、提供する方法を考えること
- 芸術や科学の研究成果から学んで行う解釈
- 教材の核となる概念が、先端科学や日常生活とどのような関係にあるかを理解すること
指導案と指導要領の関係
発問
多様なレベルの発問
- 単純な想起を求める発問
- 理解を確認する発問
- 分析的な発問
- 応用的な発問
- 原理原則を、別の場面に応用したらどうなるかを考えてみる
発問の注意点
- 発問は、質問と応答(評価)から構成されている
- 教材解釈と発問内容とが関連していること
- 発問相互の関連性、構成がある
- 最終的に焦点化されるものは何か?
- イジワルな質問
- 見通しを修正させたり、別の視点を提供するような質問
- 深い思考を必要とするような質問
- 理由や原因を安直に尋ねるのは避けるべき
- 具体的な回答が可能な質問であること
講義形式は本当に悪か?
講義のメリット
- 整理された体系的で確実な知識が伝授できる
- 必要に応じ、重要な知識を強調したり、難しい概念を解説しながらの知識伝達が可能
- 雑多な情報から、必要としている知識を探し出す手間が省ける
- 少人数の場合には、質疑応答に持ち込むことも可能
講義のデメリット
- 生徒が受動的になりやすい
- 教師に高度な話術が必要とされる
- 理解度の確認が難しい
- 知識以外の情報伝達が難しい
- 教師の独りよがりが出やすい
小集団活動は本当に良いことか?
集団活動のメリット
- 双方向の活動が確保されている
- 教師の独りよがりが少ない
- メンバー同士の相互作用により知識が深まる
- 知識以外の情報伝達が可能(思考スタイルの獲得など)
- 自己形成的に学ぶ問題解決や態度の学習に適している
集団活動のデメリット
- 一人の教師が担当できるグループの数が限られている
- 人数が多いと討論に参加しない生徒がでてくる
- 生徒にある程度の基礎知識・事前知識が必要
- 極端な放任主義に陥ると、這い回る経験主義になるおそれがある
- 自主性に任せると、目標設定が低くなることもある
グループ活動の色々
- Ice Breaking(PA、身体を動かすゲームなど)
- ブレインストーミング(後述)
- KJ法(後述)
- ディベート(テーマを決めて討議する、審判をおくこともある)
- フィッシュボール(中央に討論グループ、周辺を聴衆が囲む)
- ロールプレイ(配役を決めて、立場を理解し、自己形成)
- モックインタビュー(模擬記者会見)
- チュートリアル(各グループにチューターがつく)
グループ活動の実際(KJ法)
- 川喜多二郎氏が考案した創造的な問題解決技法
- BSなどで出されたアイディア、観察データなど、様々な情報を1枚ずつ小さなカー
ドに書き込む
- カードの中から近い感じがするもの同士をグループ化していく
- 小グループから中グループ、大グループへと組み立てて、図解していく
- こうした作業の中からテーマの解決に役立つヒントや閃きを生み出そうとする技法
KJ法の進め方
- ブレーンストーミング(カードの作成)
- カードのグルーピング
- 小さな小島と離れ小島
- 中規模グループの作成とネーミング
- A型図形の作成
- B型文章の作成
- A型図形の文章化・要約
- アウトラインプロセッシング
ブレインストーミングのコツ
- 批判しない
- 量を求める
- とにかく数多くのアイディアを出すことが必要
- 量がなければ質の良いものが生まれないと割り切る
- 自由奔放
- 相互の関係を解釈する作業は後でやればよい
- 内容の重複や突飛な意見も気にしないで楽しむ
- 便乗的発展
- 出てきたアイディアをくっつけたり、発展させたり、ヒネったり、いかに遊ぶかがとにかく大切